春の訪れ、

今日から四月。都内ではそろそろ桜の便りが聞かれる頃です。
福島では一番開花時期の早いのが、いわきと福島で、例年だと
四月の上旬。浜通りではそこから北上、中通りでは南下して行き
中下旬頃に阿武隈山系と会津の平野部。そこから只見川の上流や
猪苗代町裏磐梯桜前線が届くのはGW辺りになり、1ヶ月程を
掛けて、県内を巡って行きます。

雪深い奥会津では四月でもまだ残雪があり、雪やみぞれの天気も
ありますが、確実に積もった雪は融けて行き、山では雪崩の音が
聴かれる様になります。

もう十年近くも前になると思いますが、春のお彼岸の頃、山仲間の
友人を案内して奥会津を訪れた事があります。下郷から昭和に抜ける
手前。戸赤の集落辺りだったと思いますが、道の傍らに老婆が
横たわっているのを見つけ、慌てて車を止めて近づき、声を掛けました。
おばあちゃんは慌てた様にひょこっと起き上がり、恥ずかしそうに
「何でもねぇ」と言って、歩いて行きました。てっきり具合が悪くて
横になっていたと思い、ひとまずは安心しましたが、友人と「何で
あんな所に寝てたんだろうね」と言う話になりました。

後で気が付いたのですが、その日は珍しく天気が良くぽかぽか陽気な
日でした。おばあちゃんはきっと、温まったアスファルトの上で
ひなたぼっこをして、待ちわびた春の到来を感じていたんだろうと、

ふきのとうの芽吹き(只見町)

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