雨の只見川

会津の四季を纏める上で、梅雨の時期の「雨の只見川」に
暫く取り組んでいた事があります。雨の季節は、濡れる事から外に出る事も
億劫になりがちですが、植物等の生き物は、豊かな水の恵みに生き々とし、
風景は、晴れの時とは違う、しっとりとした情景を見せてくれます。

地元の人達も、県内の天気予報よりも、県境を隔てた新潟県
天気予報を参考にすると言われるこの地域は、日本海側の
気候の様相を呈していて、田植え後の六月は、梅雨前線の
影響を受けにくく安定した天候が続き、7月に入って梅雨も
末期に入る頃、上昇して来た梅雨前線の影響を受けて、
激しい雨が続く事があります。川面に無数の雨の水紋が
刻まれ、川霧が漂う風情。目の前に広がるのは山水画
世界です。

冬に積もる雪。春の、辺り一面の雪融け水。梅雨時の雨。
そして年間を通して発生する霧。改めて考えると、
会津の地は、水に恵まれた地であり、其の豊かな水が
豊かな自然を育み、人々に恵みを与えて、人々は自然を敬い
寄り添って生きて来たんだなと思います。